月別アーカイブ: 2013年3月

【CALL of DUTY BLACK OPS】トマスシュナイダー氏スペシャルインタビュー(後編)

本日は「CALL of DUTY BLACK OPS(コールオブデューティーブラックオプス)」シリーズ開発者のひとりであるトマスシュナイダー(Thomas Schneider)氏インタビュー後編をお届けします。

●トマスシュナイダー個人についての質問
Q. 日本の漫画とかゲームとかのおたく文化についてどう思ってるの?
A. 僕個人としては、「treyarch」に入る前はプログラマーをしてたよ。
Unityでフットボールゲームをつくっていたね。
その時はJavaスクリプトとC#をつかっていたよ。
6年前はUnityのシェアは小さかったけど今は大きくなったね。

Q. 日本の漫画とかゲームとかのおたく文化についてどう思ってるの?
A. ナルト・ワンピース・ブリーチが大人気だね。
ゲーム業界には、オタクがいっぱいいるよー。
日本の文化ってのは、ゲーム業界だとすごく人気なんだ。
職種によって人気の上がり下がりがあるよ。

アキラとか、ハウルの動く城、もののけ姫なんかはゲーム業界のみならず、一般的にも人気だね。

自分は「エターナルソナタ」、「テイルズオブヴェスペリア」、「ファイナルファンタジー」が好きかな。
日本のゲームのほとんどがアメリカで発売されないのがすごく残念。
ファイナルファンタジーとか、もっとタイトル数が多かったら、海外でも今以上にはやると思うよ。
メタルギアシリーズなんかも海外ですごい人気だね。

●海外ゲーム事情
Q. 海外のゲーム事情ってどんな感じなの?

A. 最近はAndroidがシェアを伸ばしてきてるね。
基本無料の課金ゲームが流行ってきてる感じかな。
Facebookのゲームとかも結構売れているよ。
MMORPGとかも、月額から基本無料の課金になってきている。
多分「ワールドオブワークラフト」以外に月額課金のMMORPGなんてないんじゃないかな?

Q. コンシューマーゲームはどんな感じ?
今の北米のコンシューマーゲームの売り上げって、年間売上TOP10のゲーム(コールオブデューティ、グランセプトオート、ア
サシンクリードなど)がコンシューマーゲーム市場の総売上90%を占めるよ。
小さいゲーム会社のゲームは、会社が破産しない程度にしか稼げてないね。

ただまったく売れるチャンスがないかというとそうではなくて、
X-boxのウォーキング・デッド(ダウンロード専売)なんかは開発は小さな会社も、ものすごくバカ売れしたね。
小さな会社も全然チャンスはあるよ。

Q. 一時期アメリカのゲーム産業全般的に赤字だったけど、どうなの?
親会社が大きい所は開発系の子会社にどんどん投資をしてるよ。
ただ2012年なんかはそのスタジオのメインタイトルが売れなかった場合は、親会社もすぐに手を引いて、結果色々なスタジオ  が潰れていったよ。

例えば、「プロトタイプ」っていうゲームは、1作目は結構ヒットしたんだ。
だから親会社が投資したんだけど、2作目がそんなにヒットしなかったんでスタジオを潰したみたいだね。

Q. 子供たちってどんなゲームしてるの?
アメリカの子供達も、レーティングシステムはあっても無視してコールオブデュ ーティとかの対象年齢が高めでも流行のゲー     ムを遊んだりするね。
他にはアングリーバードが大人気。
あとWii Uも人気だね。

Q. 海外で流行ってるスマホのゲームって何?
とにかくアングリーバードが大人気。
他に話題になってるゲームは、ケイオスリング(i-pad)、フルーツニンジャ、インフィニティブレードあたりかな。

トレーディングカードゲーム(神撃のバハムートなど)も名前を聞くようになってきたかな。
レビューサイトとかでも取り上げられるようになってきたよ。

Q. アメリカの男の子(児童)にウンコゲームのこと聞きたい
(トマスに「pride of poo」(※)のフラッシュアニメーションを見せたところ、大爆笑)
いや、面白いね。発想がユニークだよ。
ゲーム性が一番大事っての当然だけど、海外でも受けると思うよ。
僕は絶対に買うね。
    ※「pride of poo」はダイスクリエイティブが企画したウンコをモチーフにしたレースゲーム。

後編はシュナイダー氏個人にフォーカスしてお届けしました。
また日本にいらっしゃった際にはダイスクリエイティブを再訪したいと約束してくださいました。
インタビュー中、お茶菓子で「どらやき」や「おこし」といった日本の伝統的な茶菓をお出ししたのですが、見事にぺろっとご夫婦で平らげてお帰りになりました。お口にあってよかったです。

次はどんなタイトルをひっさげていらっしゃるのか楽しみにしようと思います。

ふるちん&シュナイダーご夫婦

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【CALL of DUTY BLACK OPS】トマスシュナイダー氏スペシャルインタビュー(前編)

先日、「CALL of DUTY BLACK OPS(コールオブデューティーブラックオプス)」シリーズ開発者のひとりであるトマスシュナイダー(Thomas Schneider)氏がご夫婦でダイスクリエイティブを訪問してくださいました。彼はダイスクリエイティブ「神速の遊撃隊長」こと古屋(通称ふるちん)の古くからの友人です。
せっかくの機会ですので、この世界的なタイトル開発者の一員であるシュナイダー氏に、彼のミッションである「レベルデザイン」についてインタビューを行いました。
前編・後編でお楽しみください。

call of duty black ops

※ソフト画像をクリックするとCALLofDUTY公式サイトに移動します。

●「call of duty black ops(コールオブデューティーブラックオプス)」開発レポート
Q. ゲームのレベルデザインって具体的に何をするの?
A. レベルデザインは要するにマップを作る仕事だね。
僕はマルチプレイヤーのマップをつくっていて、みんながプレイして面白くなるように
マップのルートをつくったりオブジェクトを配置してるよ。

一つのマップを作るのに大体、3つか4つの仮のマップを作って
それを実際にプレイ、それぞれを比較しながら最終的に一つのマップを作るんだ。

最初に「block out(ブロックアウト)」をするね。
ポリゴンの箱や簡単なオブジェクトで形成された仮組のマップを作るんだ。
その状態でテストプレイをしてマップの面白さになるポイントを探すんだよ。

第二段階として、2D、3Dアーティストと協力してマップにディティールを追加していくんだ。

最終段階として、VFXチームと共同で、エフェクトを作成していくよ。
マップが作りものっぽくならないように、細かいところまで入念にチェックするんだ。
もちろん、この間ずっとテストプレイを続けているね。

こうやって一つのマップを作成したら次のマップの作成に入るってのが仕事の流れかな。

ブラックオプス2のときは14マップを5人で1年かけて作ってたね。
基本的に役割が分かれていて、ブロックアウト担当の人間はずっとブロックアウトだけやってるよ。
ただ、〆切が近付くと色々とあいまいになっていくところがあるね。

製品版のマップを作成し終わったら、今度はダウンロードコンテンツ用のマップの作成だね。
ダウンロードコンテンツは、1つに4マップ入っていて、
制作 → 休み → 制作 → 休み → 繰り返し
って流れかな。

Q. 休暇とか、一日のスケジュールってどんな感じ?
A. 休暇は、クリスマスシーズンは休みになるね。
だいたい2年単位でゲーム開発していて、
1年に2週間有給休暇があるんだけど、だいたい1年おきに忙しくなって
1年はとてもじゃないけど休みがとれないから、
2年分を1度に使うことが多いかな。
それで今、1ヵ月分の休暇を取って日本に来ているんだ。

一日のスケジュールは基本的に10時~7時。
開発前半とかは定時で帰れるけど、中盤からは遅くなるし、
後半になると10時~27時で週末も休みなく働いているよ。

トマスシュナイダー氏

トマスシュナイダー氏と奥様

Q. 会社の規模ってどんな感じ?
A. 会社自体の人数はおおよそ250人だね。
チームが大きく2つに分かれていて
片方がシングルプレイヤー用のチーム…200人
片方がマルチプレイヤー用のチーム……50人
で構成されているよ。

入れ替わりはあるけど、大体そのくらいの人数で2年かけて一本のソフトを作り上げてるね。

Q. チームの体制と職種は?
A. シングルプレイヤーチームの方はよくわからないけど、マルチプレイヤーチームのほうは、大体こんな感じかな。
◆arts(アート)チーム
4人  Environment Team(背景チーム)
5人 Weapon Team(武器チーム)← ここはシングルプレイヤーチームと共同
3人  Animation Team(アニメーションチーム)
Charcter Team(キャラクターチーム)← ちょっと何人だったか覚えてないね
3人  FX Team(エフェクトチーム)
2人 UI art Team(ユーザーインターフェースチーム)
    
◆Design
5人 Level Design Team(レベルデザインチーム)
4人  Systems Design Team(システムデザインチーム)

Q. 外の会社、海外の会社とかにも外注とかしてるの?
A. 開発会社のトライアークが仕事を振るのは、地元の会社のみだね。
親会社のアクティビジョンの方は中国なんかにも会社があるし、取引してるね。

Q. どうやってチームに情報を伝達するのか?情報共有の仕方は?
A. 会議なんかももちろんするけど、基本的なコミュニケーションの取り方は、
みんな相手のデスクまで行って直接会話することが多いね。
やっぱりface to faceで思ったことを話すのが一番重要だね。

Q. コミュニケーションが取れてる人が集まってるの?
A. 正直、シングルプレイヤーチームの事情はよくわからないけど、
マルチプレイヤーのチームはほぼみんな顔なじみだよ。
コミュニケーションを取るために、みんなよく一緒に飲みに行ったりしているからね。
コミュニケーションが取れない人はすぐクビになっちゃたり、いつの間にか会社から消えちゃったりしてるね。
やっぱりコミュニケーションが取れないと仕事にならないからね。

Q. デバックはどうやってやるの?
A. トライアークの中にデバックチームがあるね。
開発初期はチームの規模は小さいが、開発後期になるにつれて大きくなっていくよ。
基本的には、このデバックチームが全部デバックするね。

もちろん、自分たちのチームで作ったものは自分たちで常に実際にプレイして確認してるよ。
 
Q. 開発ツールは何を使ってるの?
A. コールオブデューティシリーズの最初のタイトルから、クエイクエンジンを使ってるよ。
会社で常にエンジンをカスタマイズ、アップグレードしながら、使い続けてるんだ。

コールオブデューティーシリーズは自分たちの会社で作っている「ブラックオプスシリーズ」と、
「Infinity Ward」っていう開発会社で作られている「モダンウォーフェア」シリーズの二つがあるけど、
それぞれ別々にエンジンを改造してるから、同じクエイクエンジンでもまったく別物になってるね。

レベルデザインチームは「Radiant」ってソフトを使ってるよ。
ほぼ90%の時間、このソフトウェアを触ってるね。
これはクエイクエンジンの中のソフトの一つで、マップを作る機能を集約したソフトウェアだね。

アーティストが作っているソフトは、主に「maya」と「3DstudioMAX」と「Z-brush」、
プログラマーは「C」と「visual studio」かな。

2年という歳月を家族のようなチームメイトと濃密な時間とコミュニケーションをしゲームを制作しているのですね。
後編はシュナイダー氏ご自身のことなどをお伺いしています。是非後編もお楽しみに!

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